Amazon欧米輸入 半自動化ツール紹介① リサーチ編

こんにちは!Ryoku(@ryoku_dev)です。

少し前に私が今実践している「欧米輸入の半自動化」の概要についての記事を書きました。

その中では、商品データ、仕入・在庫データ、売上データをGoogle Spreadsheet上で一元管理して、Spreadsheetのアドオン(自作ツール)を使って業務全体をワンストップで回す、という概念的な話と、ツールの機能一覧をご紹介しました。

今回はその中で、リサーチ機能を具体的にご紹介します!

この記事内容は他の機能とあわせて近々サービス化予定です。 現在モニター募集中なので、ご興味がある方はお問い合わせTwitterからご連絡ください!

(2020.07.31 追記) 公開して2日ですが、自分のキャパを超える量のご連絡をいただいてしまったので一旦締め切ります。完成度をあげてまた再度アナウンスします!

目次

基本機能

この欧米輸入向けリサーチツールの基本機能は

ASIN(JAN, UPC)のリストを入力すると買うべき商品を抽出できる。どこから買うか、いくつか買うかも分かる

です。

そして、買うべきを判断する情報は

  • 需要
  • 競合
  • 利益

です。この3つが揃っている商品が買いです。

ツールの画面上で見るとこんな感じです(細かいのでクリックして拡大してください)。

Google Spreadsheetですが、右側のサイドバーがアドオン(ツール本体)です。アドオンでデータ取得したりフィルタリングしたりします。

需要・競合

需要は過去の月間販売数です。そのままKeepaからいただきます。

競合はライバルになるセラーの数です。ここで、ライバルになる、とは「FBA出荷である」「カート圏内の価格をつけている」としています。

実際には2つを総合して「月間販売数/(ライバル数 + 1)」を指標として用います。これは一ヶ月に売り切る見込み数で、すなわちいくつ買うかです。

需要と競合は、「まぁ当たり前」という感じだと思います。輸入かどうかも関係ないです。

このツールでは、残る利益について手間を最小限に、精度を最大限になるように、きっちり処理しています。

利益

上の画面で見ると単に「利益」「利益率」ですが、その算出には 1.販売価格、2.仕入価格、3.諸々のコストを使います。

1.販売価格

現在のカート価格だけだと「買うか買わないか」の判断がつきません。たまたま出品者がいなくて高値がつけられているだけかもしれません。

このツールでは「過去に売れた価格の最頻値」を計算して、その売れ筋の価格でも利益が出るのかを判定しています。

2.仕入価格

米・欧のAmazon(+手動登録したショップやメーカー)の中から、トータルで最も安い価格を取ってきます。

海外Amazonの商品ページは、ASIN一致はもちろん、不一致のものも自動で見つけます

アメリカ・ヨーロッパのAmazon、登録したショップの価格が並び、その中で(送料を加味した)最安のものが一番左側に表示されます
3.諸々のコスト

Amazonの販売手数料・成約料・FBA手数料はそのままMWSで取ります。

それに加え、輸入なので国際送料、関税・消費税がかかります。国際送料は国ごとに算出方法が変わります。特に、直送になる欧州Amazonは各国で国際送料の計算式があるので、それらを当てはめて計算します。

買うべきを抽出

このようにして、商品の需要、競合、利益が定量的に分かりますので、これらの値が一定値以上のものを買うべき商品として抽出(フィルタリング)できます。

アドオンには1クリックで需要、競合、利益が揃った商品を抽出する機能があります

ここまでまとめると、このリサーチツールは商品の需要、競合、利益データから定量的に買うべき商品を抽出できます。特に、利益については、

  • 過去実際に売れていた販売価格
  • 自動で発見した仕入先(ASIN不一致も紐付け)
  • 各国Amazonの比較による(国際送料込みでの)最安の仕入価格

を用いて、最小限の手間、最大限の精度で計算します。

ストック型リサーチの機能

さらに効率的なリサーチのためには抽出した商品をストックして再利用することが欠かせません。この考え方は、ストック型ビジネスになぞらえて「ストック型リサーチ」と呼ばれたりもしています。一度取得した商品情報はストックしておけば、同じものを何度も見なくて済みます。また、後で再取得すれば状況(価格やライバル数)が変わった買い時を逃しません。

ストック型の逆はフロー型です。フロー型リサーチという言葉はあるか分かりませんが、商品一覧ページから商品を一つずつ見ていくことをそう定義するなら、ストック型リサーチはフロー型リサーチに対してメリットしかありません。ExcelやSpreadsheetを使ったストック型リサーチの一般論は以下の記事でも解説しています(この節で説明する特徴ともぴったり対応した内容です)。

このリサーチツールには、基本機能の他にストック型リサーチを有効に回すための3つの特徴があります。

差分だけ取得

未知のASINだけを登録します。例えば、一ヶ月ごとに、あるセラーの出品ASINを一括取得して全て入力したとしても、前回との差分だけが得られます。

※取得したASINはリストに残すか、除外リストに入れるかの二択という運用をする前提があります。

自動でスクリーニング

需要、競合、利益の情報を得るためには時間リソースを消費します。なので、並行輸入品を扱っている時には正規輸入品ははなから除外したい(というか、間違っても扱いたくない!)というように、目にも触れずに除外したい商品があるはずです。リサーチの仕方によっては取得したASINの大半がこれになる場合もあります。

そこで、キーワードランキングでまず明らかにいらない、もしくは危険な商品は自動的にスクリーニングしてしまいます。

※内部動作的な話ですが、キーワードやランキングは少ないリソースで取得できる情報です。

今日、買うべき商品をサジェスト

スクリーニングした商品はその時に仕入れなくてもストックしておきます。需要、競合、利益は変動するので、定期的にこれらを再取得することで、ストックした商品が仕入れ基準を満たすタイミングを捉えることができます。

実際の運用では、ストックした商品のデータを一斉に再取得して、需要、競合、利益が設定値以上、かつ、今在庫に持っていない商品だけを抽出します。これを数日おきに繰り返します。

この部分こそがストック型リサーチのコアです!
今、開発が忙しいのもあって、ほぼ新規のリサーチをせず、ストックした商品を回すだけで食い扶持を得ていたりします。

他のストック型リサーチの方法に、KeepaやCamel Camel Camelの価格アラート登録があります。しかし仕入れ価格が基準を満たしたとしても、需要、競合はもちろん、利益についても販売価格は変動しているため、これらのチェックは別に必要になります。

利用例

これまで機能の紹介をしてきましたが、ここからは私がこのツールを使ってどんな風にリサーチをしているかの具体例をお伝えします!

STEP
ASINをまとめて取ってくる

セラーからでも、ブランドからでも、キーワードからでもいいんですが、とにかくまとめてASINを取ってきます。多少ノイズが含まれていても、自動でスクリーニングされるので気にしません。

ASINの取得方法は世の中に色々ありますが、私は自作のChrome拡張を使っています(結構使い勝手がよいと思うので近々無料公開する予定です)。

セラーIDから出品ASINを取得するなら、前に公開したSHEET for Keepaでも簡単にできます。

STEP
ASINを登録する(差分だけ取得・自動でスクリーニング)

アドオンにASINリストを貼り付け、「登録」を実行します。

未知のものだけが登録されます。

同時に、キーワードなど除外条件に従いASINが除外されます。

STEP
需要・競合・利益でフィルタリングする

登録された商品は、需要・競合・利益のデータが取れているので、各値が高い商品だけを表示します。

実際には、緩めの条件を設定して、今は買い時ではなくても、今後買い時がくる可能性がある商品も残します

STEP
残す商品、除外する商品に選別する

フィルタリングされた商品について、一つずつ販売ページ、仕入れページを確認して、買い時がくる可能性がある商品か、そもそも売ってよい商品かを判断し、残す、除外するを決定します。

その場で買い時にある商品は仕入れをします(仕入れの処理については別記事を書きます)。

※STEP3で非表示になった商品については、効率を重視するなら全て除外してしまいます。念の為、目を通して判断する場合もあります。

残す場合は、先頭の「NEW」マークを削除します
除外する場合は、ゴミ箱アイコンをクリックします
販売ページ、仕入ページはまとめて開けます

このようにして(マーク削除 or 除外して)、NEWマークのついた商品がリスト上からなくなれば、この回のリサーチは完了です。

STEP
「今日の候補」を表示する

STEP1〜4を繰り返していくと、タイミングによって購入の可能性がある商品が並んだ自分だけの商品リストが出来上がります。

このリスト全体のデータを再取得して、フィルタリングすることで、今日のこの時点で需要、競合、利益が揃った商品が仕入れ候補として抽出されます。

需要・競合・利益はそれぞれ取得に必要なリソースコストが違うので、コストの安いものから取得して絞り込んでいきます。

また、別記事で解説しますが、このリサーチツールは在庫管理機能と連動するため、今自分が在庫を持っていない商品だけを抽出できます。

なお厳密には、取得した需要、競合、利益のデータに欠損があるので、STEP2とSTEP3の間でその補完を行います。一番多いのが仕入れ先が取れず、利益が分からない場合です。この場合、ツールが提供する「仕入れ検索」の機能を使って仕入れ先を見つけ登録をします。

また、商品によってはメーカーや卸など別の仕入れ先を検索・登録します。

まとめ

私は、業務全体をワンストップで回すSpreadsheetのアドオンを使ってAmazon欧米輸入を半自動化しています。今回は、その中のリサーチ機能を紹介しました。

このリサーチツールは「需要、競合、利益が揃った商品を抽出する」ことができます。特に、正確な利益を自動的に計算するために

  • 過去実際に売れていた販売価格を算出
  • 仕入先(ASIN不一致も含め)を自動的に発見
  • 複数の仕入先から最安の仕入価格を算出

することができます。

また、抽出した商品をストックしていくことで、需要、競合、利益、自在庫データの変動を捉え、その時々で買い時の商品を抽出することができます。

特に、Amazon間の単純転売に最適化した作りになっていますが、同じプロセスの中で、メーカー・卸・ショップとの直接取引のリサーチもできるものです。

このリサーチ機能は、特別イノベーティブなアイデアが詰まっている訳ではなく、「欧米輸入をできるだけシステマチックにやるにはどうするか」を愚直に突き詰めていった結果できたものです。

もともと再現性の高い欧米輸入ですが、できるだけ人手を煩わせないようにし、かつ人の判断ポイントを定量化・局所化しているので誰が使っても再現可能なものになっていると自負しています。

ツールを使う上で一つだけ必要なものがあるとすれば「商品はいくらでもある。どんどん取ってきてどんどん捨てる」というマインドです。これがないとツールの特性を活かせず効率が落ちるだけでなく、危険な商品を扱う可能性が大きくなります。

今回、紹介したリサーチ機能だけでなく、仕入・納品・在庫管理・価格改定・売上管理・リピート仕入など業務全体をワンストップでサポートするサービスを提供予定です。

繰り返しになりますが再現性の高さが売りなので、輸入プレイヤーはもちろん、輸入をしたことがないせどりプレイヤーの方などにも使ってもらいたいという野望も持っております
(特に、ランダムピック型真贋をクリア済みの方・・・!)。

記事冒頭にも書きましたが、現在モニターを募集中なのでご興味がある方はお問い合わせTwitterからご連絡ください!ご連絡多数につき一旦クローズさせていただいておりますm(_ _)m

今後は、他の業務の説明記事を書いていくとともに、サービス化の具体的な話についても書いていきたいと思います。

長い記事になってしまいましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次
閉じる